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2007 Fiscal Year Annual Research Report

ジョン・ロック寛容思想における「不寛容」論の展開

Research Project

Project/Area Number 19520079
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

山田 園子  Hiroshima University, 大学院・社会科学研究科, 教授 (10158199)

Keywords寛容思想 / 政教分離 / 国教会 / 非国教徒 / 無神論者 / ローマ・カトリック教 / イギリス / ジョン・ロック
Research Abstract

ジョン・ロックの「不寛容」論を検出するために、ロックの論敵E・スティリングフリートの文書、及びロックの反論文書を複写で入手した。本年度においては、まず、手書きのロックの反論文書の解読、翻訳及び内容の一部検討を行なった。次に、両者の論争の背景を抑えるために、文献の購入・複写を行ない、British Library等で一部の史料を確認した。成果として、ロック政治論集の翻訳、及び同時代を分析したホッブズの歴史論について論文を公刊した。
その結果、これらの文書から、国教会再編成及び非国教徒に対するロックの対応やその特徴を、ある程度読み取ることができた。その内容、意義及び重要性は次の3点に整理できる。
第一に、従来のロック研究で強調されていたような非国教徒寛容及び政教分離の主張は、それ自体としては、ロックの反論文書に見出すことはできないこと。反論文書においてロックは、むしろ国教会的な教会体制自体を支持する。非国教徒については、例えば「彼らの会衆は鳥かごのようなもので、会衆に入るのは自由だが、いったん入ったら出られない」と、批判的な見解を吐露している。
第二に、スティリングフリートとロックの違いは、国教会を否定するか否かではなく、国教会をどのように再編するかという点にあること。基本的には両者とも、国教会の妥協や譲歩による非国教徒の最大限の受容を主張した上で、それでもなお国教会を拒否し続ける非国教徒に対し、迫害せずにどう対応できるか、という観点で一致している。しかし、国教会の受容の程度や非国教徒の対応については、両者に見解の差異がある。この差異については、今後の検討をなお要する。
第三に、スティリングフリートとロックとも、無神論者とローマカトリック教会への不寛容は徹底していること。ただし、両者の不寛容の理由や不寛容という態度の具体的なあり様については、見解の相違があり、ロックの「不寛容」論を考察する上で、この点については、今後詳細な検討が必要になる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2007 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] ホッブズとイギリス革命2007

    • Author(s)
      山田園子
    • Journal Title

      思想 996号

      Pages: 132-148

    • Peer Reviewed
  • [Book] M・ゴルディ編『ロック政治論集』2007

    • Author(s)
      山田園子(吉村伸夫との共訳)
    • Total Pages
      457
    • Publisher
      法政大学出版局(叢書ウニベルシタス 844)
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.hiroshima-u.ac.jp/law/kyouin/yamada/p_324d58.html

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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