2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本における霊籤・御籤・神籤をめぐる思想史的展開に関する総合的研究
Project/Area Number |
19520081
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
大野 出 Aichi Prefectural University, 日本文化学部, 准教授 (60247418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 朝 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (10322778)
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Keywords | 天道 / 霊籤 / 神籤(御籤) / みくじ / 社会調査法 / 元三大師 / 占い / 社寺 |
Research Abstract |
当該研究テーマの日本における霊籤・御籤・神籤の中核となる元三師大御籤を現在でも、何らかの形で継承している日本全国の寺社を探索した結果、元三大師を本尊としている京都の蘆山寺において、現在まで本来の僧侶が御籤を取り、その御籤について、御籤の対象となる各人に解説をするという様式(ただし一般参詣者には行っておらず、元三大師月命日の毎月3日の元三会のおり信者にのみ限定で行っていることが判った)が継承されていることを発見するに至った。この蘆山寺において綿密な聴き取り調査及び史料調査を行うことによって、当該研究の研究代表者である大野が長く仮説として提示し続けてきた日本における御籤の様式が現在まで継承され、実際に行われている実例を発見できたことは当該年度の最も大きな成果である。また、当該年度の研究成果の一つの総括として、江戸町人研究会において「神籤研究における未解明の諸問題」を題して口頭発表を行った。また、紙幅の限定があったため、文章量としては少ないものとなってしまったが思文閣出版刊の『鴨東通信』において当該研究における最も重要な概念のひとつである「天道」について、「『天道』とはなんだったのか-おみくじと『天道』との深い関わり-」と題する考察を発表した。また、当該年度においては、日本全国の寺院に対する当該研究の中核の一つでもある社会調査法に基づくアンケート調査の準備として、日本寺院総鑑のCD(日本全国の各宗派の寺院の住所及び寺院の山号寺号及び住職名・副住職名の情報が網羅された合法的情報源)を購入し、日本全国の寺院のうち千ヶ寺に、史料所在調査及び御籤に対する意識調査のアンケートを送付した。
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Research Products
(3 results)