2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520083
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
合田 正人 Meiji University, 文学部, 教授 (60170445)
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Keywords | ユダヤ人 / ユダヤ思想 / メシアニズム / エマニュエル・レヴィナス / ハンナ・アーレント / フランツ・ローゼンツヴァイク / シモーヌ・ヴェイユ / ディアスポラ |
Research Abstract |
本年度の研究・調査は、ドイツのユダヤ系思想家フランツ・ローゼンツヴァイクの『救済の星』の邦訳出版と共に始まった。報告者は同書の書評を書くと共に、「京都ユダヤ思想学会」で同書についての発表を行い、更には同書をめぐる論考を執筆した。それと同時に、このローゼンツヴァイクについての章を含むブーレツの大部のユダヤ思想論考の第一分冊に相当する部分の訳出を終えることができた。7月には、フランスのユダヤ思想研究家マルティーヌ・レボヴィシ死を招聘し、レヴィナスをめぐる講演会、シモーヌ・ヴェイユ生誕百年を記念するシンポジウムを開催した。このシンポジウムの模様は冊子「シムーヌ・ヴェイユと来るべき倫理」として保存した。この他にも、在エルサレムの政治思想家メロン・ベンベニズティ氏を招いて、「ユダヤ性と都市」というタイトルのもとにシンポジウムを行った。エルサレムに加えて、モンレアル、東欧、ベルリンなどの都市とユダヤ人との関連をめぐって興味深い発表がなされた。このシンポジウムについても、冊子としてその内容を保存した。秋には、若手研究者たちと共に「ディアスポラ」をめぐる総合的研究に着手し、その一方で、スピノザについての共同研究もスタートさせた。このように近代ユダヤ思想についての多面的な研究を行う年度となったが、研究目標として掲げていたデータベース化についても、ユダヤ思想のサイトを立ち上げることができた。京都ユダヤ思想学会のメンバーとも協力しながら、このユダヤ思想サイトの充実に今後も努めていきたい。論文執筆、翻訳、シンポジウムの実行、データベース化の実現、共同研究のスタート、いずれの点においても実り多い年度であった。
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Research Products
(7 results)