2008 Fiscal Year Annual Research Report
アレッサンドロ・フランキの宗教画の図像解釈学的研究
Project/Area Number |
19520090
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
甲斐 教行 Ibaraki University, 教育学部, 准教授 (60323193)
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Keywords | 美術史 / 図像解釈 / イタリア |
Research Abstract |
7月25日から9月22日までの夏期休暇期間、および11月23日から12月8日の期間、イタリアのフィレンツェに滞在し、調査研究をおこなった。昨年に引き続き、画家アレッサンドロ・フランキの作品注文主の一人であるガスパーレ・オルミの著作を、フィレンツェ国立中央図書館で閲覧・調査した。またシェナ近郊のカステッロ・ディ・ブローリオを再訪し、フランキの小型ダベルナーコロを撮影するとともに、画中の銘文の出典を特定した。その際所有者で現在の当主であるベッティーノ・リカーゾノ男爵から作品の由来を取材調査した。またトスカーナ地方カッラーラ周辺に、現在所蔵先不明のフランキの《シェナの聖女カテリーナ》のオレオグラフィー模写図を発見した。 従来までの研究成果をフィレンツェのレ・レッテレ社刊行の美術史専門誌『アルティスタ』に発表すべく草稿を準備し、フィレンツェ在住の美術史家ルチア・マンニーニ氏の校訂により論文を執筆、同誌の編集委員のひとりであるフィレンツェ大学文哲学部カルロ・デル・ブラーヴォ教授に提出し、数度の面会と原稿改訂を経て、論文が受理された(2009年夏刊行予定)。また、フランキが装飾に参加したシェナの・サンタ・テレーサ礼拝堂の図像プログラムに関する論文、フランキの師ルイジ・ムッシーニの未発表作品に関する伊語論文を、『五浦論厳』(茨城大学五浦美術文化研究所紀要)第15号に投稿した(2008年11月刊行)。さらに、オルヴィエート、ボローニャ、プラートの3箇所にあるフランキの《聖家族》図像に関する論文を、『五浦論厳』(茨城大学五浦美術文化研究所紀要)第16号に投稿した(2009年9月刊行予定)。
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Research Products
(3 results)