2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
Study of Sibyls in Italian Renaissance
Project/Area Number |
19520093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
ITO Hiroaki Saitama University, 教養学部, 教授 (70184679)
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Project Period (FY) |
2007 – 2010
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Keywords | シビュラ / バルビエーリ / サンタ・トリニタ聖堂 / システィーナ礼拝堂 |
Research Abstract |
本研究の目的は、イタリア・ルネサンスのシビュラについて、その展開と多様性について総合的に解明することである。具体的には、以下の3つの観点から研究は行われる。 (1)シビュラ像と中世的伝統との関係を明らかにする。中世後期・末期に編纂されたシビュラの託宣集、および、その影響のもとにルネサンスにおいて成立した新しい託宣集という、中世に遡る文献的伝統の中で、ルネサンスに描かれたシビュラ像を位置づける。 (2)シビュラ像と同時代の文学的・思想的テクストとの連関を明らかにする。ルネサンス期に描かれたシビュラ像を同時代の文化的コンテクストの中で把捉するために、マルシリオ・フィチーノやエジディオ・ダ・ヴィテルボなどの思想的文脈を、またペトラルカからブルーニやランディーノを経て、ポンターノやサンナザーロへまでいたるイタリアの文学的伝統を考究する。 (3)シビュラ像の時代的な展開について明らかにする。15世紀中葉にローマのオルシーニ邸に描かれた12人のシビュラ像から始めて、ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂に描いたシビュラ像まで、イタリア・ルネサンスのおける数多くのシビュラ像を、上述の文学史的な観点や思想史的観点をも踏まえつつ、網羅的にかつ系統的に分析する。
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