2007 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア近代美術の形成に果たした日本の役割-戦中期を中心に
Project/Area Number |
19520102
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後小路 雅弘 Kyushu University, 大学院・人文科学研究院, 教授 (50359931)
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Keywords | 日本軍政 / 宣撫工作 / 啓民文化指導所 / 華人美術研究会 |
Research Abstract |
平成19年度は、シンガポールとインドネシア、タイにおける戦中期を中心にした日本との美術交流について調査研究を行った。1.インドネシア調査スリハディ・スダルソノにインタビューし、日本軍政期の美術状況について聞いた。関連資料を収集した。2.シンガポール調査日本占領期に獄死した華人美術研究会の会長張汝器について何国豪(1922-)にインタビューを行った。また、画家林友権(1928-)にインタビューし、日本占領期に殺された兄や当時の華人系美術家のリーダーだった父・林学大について聞いた。3.タイ調査太平洋戦争期に東京美術学校に留学した画家チト・プアブットにインタビュー。滞日中の活動や作品、帰国後の活動について聞いた。戦時中里見宗次の指導を受けた画家、故ミシエム・イーピンソイ所蔵の関連資料を調査した。 これまで日本美術史研究がほとんど問題にしてこなかった東南アジア近代美術の展開に日本が果たした役割を、具体的に関わりのある人にインタビューをして検証し、その実情の一端をあきらかにすることで、知られざる近代日本と東南アジア諸国との美術交流史の記録に一定の成果を得た。
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