2009 Fiscal Year Annual Research Report
17世紀フランスにおけるイエズス会の挿絵本と絵画の関係についての総合的研究
Project/Area Number |
19520112
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
木村 三郎 Nihon University, 芸術学部, 教授 (00130477)
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Keywords | イエズス会 / シャンパーニュ / 煉獄 / ヴィーリクス / プッサン / 宗教画 / ロヨラ / 挿絵本 |
Research Abstract |
{木村}フィリップ・ド・シャンパーニュが、17世紀半ばに制作した、祭壇画《煉獄の魂》の分析に集中した。先ず、作品分析のために、トゥールーズのオーギュスタン美術館に収蔵されている当該作品、一方で、パリのルーヴル美術館、リール美術館、ロンドンのウォーレス・コレクション収蔵の宗教絵画の分析を行った。関連版画の調査では、パリのフランス国立図書館版画室にあるヴィーリクスの作品調査、並びに、文献調査は、フランス国立古文書館で調査を行った。成果は、紀要論文の執筆、学会での発表となった。 {栗田}パリのルーヴル美術館資料室等で資料収集調査を行った。併せて派生する研究の紹介論文、派生する問題の研究論文を執筆した。 {安室}資料調査・作品実見等を目的とした国内訪問先は以下の通り:2009年5月、美術史学会第62回全国大会(京都大学)にて研究成果の一部を口頭発表した。2010年2月、愛知県芸術文化センター・アートライブラリーおよび名古屋大学図書館にて文献調査。3月、京都大学図書館にて文献調査。また、研究成果の一部を個別論文として刊行した。 {小野崎}主に、イエズス会を創始した、イグナチウス・ロヨラの著作、及書簡を取り上げそれらの中に見られる「創造力を重視する姿勢」を注目し直し、創始者に有されたこのような姿勢とと、後に使われた挿絵使用との結びつきを見いだそうと試みた。こうした内在的、教義的な理由の分析に集中した。
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