江戸時代の絵入本及び絵巻の調査研究-新出コレクションの調査を中心に

2007 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19520119
• Research Institution: Nara University
• Principal Investigator: 塩出 貴美子 Nara University, 奈良大学・文学部, 教授 (80144418)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中部 義隆 大和文華館, 学芸部, 次長 (70416262) ; 宮崎 もも 大和文華館, 学芸部, 学芸部員 (10416266)
• Keywords: 美術史 / 国文学 / 絵巻 / 絵本

Research Abstract

本研究は、個人蔵の江戸時代の絵入本及び絵巻コレクションの調査研究を主目的とし、併せて同種の作品群を可能な限り調査研究しようとするものである。この分野の研究はこれまで国文学を中心に行われており、絵画作品でありながら、美術史の分野ではあまり研究が進められていなかった。本研究では、これらの作品に対し、美術史の見地から本文(詞)と絵の関係、表現の特質、制作と享受の関係、流布及び流通の状況などを検討し、このように文学と絵画が一体化した作品群の特質及び意義等を明らかにする。
同コレクションは絵入本10件27冊及び絵巻6件12巻からなり、全て肉筆の写本である。これまで所蔵者によって秘蔵されており、全て未公開作品である。内容は「伊勢物語」「徒然草」などの古典、「さるげんじ」「二十四孝」などの御伽草子が主であるが、なかには「四季十二月」「工商絵巻」など風俗的な要素の強い作品もある。これらの作品について、平成19年度は以下の作業を行った。
(1)作品の調査及び撮影同コレクションの全作品を対象とし、各作品の基本データを収集するとともに、表紙(裏表紙)及び見返しを含む全頁あるいは全巻の撮影を行った。
(2)本文の翻字及び絵の分析(1)で収集したデータに基づき、一部の作品については本文の翻字及び絵の分析を行った。