2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520130
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
菊地 仁 Yamagata University, 人文学部, 教授 (50125762)
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Keywords | 擬古物語 / 絵巻 |
Research Abstract |
2007年5月19、20日。平成19年度中古文学会春季大会に出席し、研究発表会に参加したほか、会場校の國學院大学で所蔵する中・近世に制作された物語系の絵巻を閲覧した。特に、「竹取物語絵巻」や「伊勢物語絵巻」などは、室町時代から江戸時代にかけてのものながら、本研究テーマが対象とする作品群をとりまく文化的な環境や享受のあり方について大いに参考となった(なお、同秋季大会は10月6、7日に本校山形大学を会場にして開催)。 7月27日。上記学会で知り得た情報に基づき、國學院大学で開催された「第二回・物語絵研究会(基盤研究B「物語絵巻の本文とその享受に関する総合的研究)」の研究集会に個人の資格ながら参加させてもらった。特に、慶應義塾大学の石川透氏の基調報告は、絵画化というレベルでは王朝物語もお伽草子も同一視できるというもので、両者の中間時期に位置し絵巻という形態も存在する院政鎌倉期物語(擬古物語・中世王朝物語)を考えるうえでたいへん有益であった。 7月31日。今回の物品費のなかでは中心的な『物語文学研究叢書(第一・第二)』を購入し、関係する研究史の整理し直し作業を継続している。 2008年3月3日。論文集『お伽草子・百花繚乱(仮称)』のために、今年度の計画のひとつであった『小夜衣』の研究を絡めた形で、「物語文学とお伽草子-いわゆる〈しのびね〉型の問題-」を執筆入稿した。同書は本年7月に刊行される予定である。
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