2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520130
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
菊地 仁 Yamagata University, 人文学部, 教授 (50125762)
|
Keywords | 擬古物語 / 絵巻 |
Research Abstract |
前年度の研究過程で、院政鎌倉期の擬古物語に関しては、『源氏物語』からの影響とともに、絵巻などの絵画資料との交渉も重要であると再認識するに至った。 そこで、その研究成果の一端を生かす形で、2008年6月21日の和歌文学会6月例会(日本女子大学)において「平安和歌から江戸絵画へ-歌意絵の景物描写をめぐって-」という題の発表を行なって、平安・鎌倉時代物語の場面単位での絵画化をめぐる問題について口頭報告をした。 そのような問題意識との関わりから、8〜9月には『源氏物語研究叢書』『源氏物語版本の研究』『源氏物語と紫式部』『源氏物語扇面画帖』など『源氏物語』の享受資料関係図書を購入して、特に絵画化についてのいくつかの知見を得ることができた。 10月4、5日の両目、平成20年度中古文学会秋季大会(東京学芸大学)に参加した。今年度はいわゆる「源氏物語千年紀」ということもあり、『源氏物語』の新出資料についての講演のほか、いくつか物語文学についての充実した発表があり、さらに会場校所蔵の『源氏物語』関係享受資料を確認することもできた。 2009年3月9日、論文集『平安後期物語の新研究-寝覚と浜松を考える(仮称)』のために、「『浜松中納言物語』における対比的な表現」という題の論文を執筆入稿して、院政期物語の特徴的な表現構造を明らかにした。なお、同書は2009年11月に新典社より刊行予定である。
|