2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520137
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末柄 豊 The University of Tokyo, 史料編纂所, 准教授 (70251478)
|
Keywords | 国文学 / 日本史 / 室町時代歌人伝 / 飛鳥井雅親 / 飛鳥井雅康 / 飛鳥井家和歌関係資料 / 蜷川親元 / 月庵和尚仮名法語 |
Research Abstract |
平成19年度は、以下の三点を柱として研究をすすめた。 (1)飛鳥井雅親・雅康に関する伝記史料の収集と研究 飛鳥井雅親について『大日本史料』第八編之四十を編纂する過程で収集した史料の整理・検討をすすめ、その家集『亜槐集』の詞書については、編年集成を行った。飛鳥井雅康については、古書肆において万松軒宗山等貴充ての書状を入手し、それを検討することで、細川政元と雅康との交渉の一端を知ることができた。また、東京大学史料編纂所所蔵『飛烏井雅親消息案』・『飛鳥井雅康消息』について、特にその伝来について研究をすすめ、その成果を『東京大学史料編纂所影印叢書3室町時代武家関係文芸集』の解題において発表した。 (2)飛鳥井家関係未紹介史料の翻刻・研究 東京大学教養学部所蔵『飛烏井家和歌関係資料』について全文の翻刻を作成して耕究を行った。なお、この成果を前提として、全文翻刻を平成20年度中に公刊したいと考えている。 (3)室町時代和歌関係未詳会史料の翻刻・研究 東京大学史料編纂所所蔵『蜷川親元詠草』について翻刻の作成および研究を行った。同書は、室町幕府の政所代蜷川親元が、主君伊勢貞親の失脚にともなって近江坂本に隠退していた時期における日次詠草の自筆原本で、武家歌人として著名な同人の歌什としては最もまとまったものである。さらに、裏面が南北朝期の禅僧月庵宗光の仮名法語の料紙として再利用されたため、二度にわたる改装を経て、その装訂は複雑な様相を呈している。そこで、全文翻刻および初句索引を作成して『室町時代研究』2号において公刊するとともに、書誌および成立の問題についての研究を『東京大学史料編纂所影印叢書3室町時代武家関係文芸集』の解題において公表した。
|
Research Products
(3 results)