2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520162
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
徳原 賜鶴子 (青本 賜鶴子) Osaka Prefecture University, 人間社会学部, 准教授 (60180139)
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Keywords | 国文学 / 美術史 |
Research Abstract |
平成19年度は、大阪府立大学学術情報センター所蔵の絵入版本について、版面のデジタル化を行う作業が中心となった。また、物語享受史における物語絵本の役割とその意義を明らかにするため、物語の挿絵と本文との関係、版本に大きな影響を与えた物語絵巻についての研究を同時に進め、青木賜鶴子「室町期伊勢物語絵巻の一様相-静嘉堂文庫「伊勢物語絵巻」が語るもの-」(『言語文化学研究 日本語日本文学編』第3号、2008年3月、1-12頁)を発表した。 大阪府立大学学術情報センター所蔵絵入版本の版面のデジタル化については、まず、『大阪女子大学附属図書館和漢書分類目録』記載をもとにした悉皆調査(原本の書誌確認)を行い、全体の撮影計画を立案した。次に、その計画に従い、スキャナを用いた撮影を進めた。平成19年度に撮影を終了した版本は、「絵入源氏物語」慶安跋承応三年刊大本2種、万治三年刊横本、無刊記小本、「源氏小鏡」絵入本2種、野々口立圃「十帖源氏」2種、「源氏髪鏡」などであり、全体のおよそ三分の二に相当する。撮影を終了したものについては、順次、研究及び公開に適した形になるよう加工を行っているところである。 今後は、引き続き大阪府立大学所蔵物語絵本のデジタル化及び加工を進めるとともに、同種の他館所蔵本について、既公開のCD-ROM、データベース等を積極的に利用しつつ、研究を進める予定である。また、物語の本文と挿絵との関係や、物語享受の具体相についても、さらに考究してゆきたいと考えている。
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