2007 Fiscal Year Annual Research Report
徳川期合巻史再構築のための初代歌川国貞の合巻に関する書誌学・文学的調査と研究
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19520168
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
津田 眞弓 Japan Women's University, 文学部, 学術研究員 (40390588)
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Keywords | 国文学 / 浮世絵 / 美学 / 草双紙 / 江戸文学 / 合巻 / 歌川国貞 / 19世紀 |
Research Abstract |
本研究は,文字と挿絵が同一の紙面に混在し等しい重みを持つ合巻について,文学研究でも絵画研究でも看過されてきた合巻における絵師の業績に着目し,文・絵双方のから見た総合的な徳川合巻史の構築を目指している。 具体的には,合巻挿絵の第一人者であり,活動期間が徳川期合巻の歴史とほぼ等しく最長・最多の業績を持つ初代歌川国貞が関わった合巻について,海外の資料に目を配りつつ,国内主要図書館・文庫を中心に資料の整理と位置づけを行い,収集した情報は紙媒体の年譜及び論文・WEB上での公開を目指す。専門家のみならず一般に至るまで広く研究成果を供すことで,こうした基礎研究を行う意義へ打ち出し,多くの理解を得たい。 19年度の成果は以下の通り。1.調査の方法や公開をする形式の雛形を作成した。今後も適宜修正を加えていく。2.予算の範囲で,資料収集(マイクロ複写)を行った。3.関東地区主要図書館を中心に合巻の書誌調査を行った。またロンドン(大英博物館・大英図書館)・ボストン(ハーバード大学サックラー美術館)でも調査を行った。4.研究発表「庖瘡絵本『雛鶴笹湯寿』考」(日本近世文学会,6月9日,於青山学院大学)5.研究論文「世話物語への挑戦-一十九世紀草双紙の文体」(文学11・12月号)6,研究発表「Ryuotei Edo no Hananari:Daimyo of Choshu Provice and Surimono Patron」(Surimno Workshop,8月21日,於リートベルグ博物館。論文執筆済み。)7.講演「柳桜亭江戸廼花也の正体-大名の狂歌遊び」(「役者絵とその周辺」,2008.1,早稲田大学坪内博士記念演劇博物館)8.合巻『塵塚物語』と関係作品2点の翻刻をまとめる。
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Research Products
(2 results)