2008 Fiscal Year Annual Research Report
ロマン主義時代の歴史小説構築への女性作家の寄与・貢献
Project/Area Number |
19520188
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 美津子 Tohoku University, 大学院・国際文化研究科, 教授 (60073318)
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Keywords | 歴史小説 / シドニー・オーエンソン / サー・ウォルター・スコット / ロマン主義時代 / マライア・エッジワス / チャールズ・マチューリン / アイルランド併合 / 植民地主義 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来等閑視されがちなMaria Edgeworth、Sydney Owenson、Jane Porter、Anna Porter、Jane Westなどのロマン主義時代の女性作家たちの作品を、時にCharles Robert Maturinなどの同時代の男性作家の作品と比較検討しながら、仔細に分析し、歴史小説という新たなサブジャンル構築に女性作家たちが多大なる寄与・貢献をおこなったことを検証することである。さらには、その検証の過程で、女性作家たちが構築し発展させた歴史小説が、ScottのWaverley(1814)を始めとする、いわゆるウェイヴァリー小説に、小説のプロット、枠組み、テーマ、素材、手法などを提供したことを跡付ける。平成20年度は、本研究に密接にかかわると思われるCharles Robert Maturin、Jane porter、Jane West、Christian Johnstone、Theodore Melvileなどの作品を大英図書館やケンブリッジ大学図書館等からフォトー・コピーの形で取り寄せた。収集した資料・文献は精読し、仔細に分析した。その成果の一部は、「アイルランドの併合を巡る言説--チャールズ・マチューリンの『アイルランドの族長』の場合」(『英国小説研究』第23冊),「『嵐が丘』とシドニー・オーエンソン」(『佐野哲郎教授記念論文集』)という形で、論文にした。
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