2009 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ演劇の理論と実践におけるリベラリズムと民主主義の問題:冷戦以降の再検討
Project/Area Number |
19520203
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
戸谷 陽子 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (30261093)
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Keywords | アメリカ演劇 / パフォーマンス研究 / 舞台芸術 / アーサー・ミラー / テネシー・ウィリアムズ / リベラリズム / 冷戦期以降の演劇 |
Research Abstract |
1.平成20年度に引き続き、冷戦と文化統制、封じ込めの政策と演劇との関係についての基本文献、具体的な資料となる文献を中心に、冷戦に関する文献を収集・通読。19世紀以降のアメリカにおいて性の政治学や権力の力学が資本主義と結びつけられて構成・布置される過程およびリベラリズムという概念の形成過程を確認しつつ、背景となるアメリカの思想史を概観する作業を進め、現在のグローバル資本主義下におけるリベラリズムの諸言説を演劇という枠組みにおいて検証する作業を継続した。 2.昨年度の個別テーマの研究成果をふまえ、日本英文学会第81回大会シンポジア第八部門『テネシー・ウィリアムズのアメリカ』において「Tennessee Williamsの政治性-セクシュアリティの表象を中心に」を報告。自ら革命児と称したウィリアムズの性ポリティクスを考察した。一方で、パフォーマンス研究の見地から、20世紀のパフォーマンスアートの歴史を辿り、第二次大戦後冷戦下のアメリカ社会を反映したパフォーマンスアートをジェンダー、フェミニズムの視点から検証した。さらに、日本のパフォーマンス空間にも視点を広げ、60年代以降の新宿駅地下道というパフォーマンス空間についての考察を国際パフォーマンス学会のシンポジウムで報告した。 以上の研究に時間をかけたため、冷戦終結後および2001年同時多発テロ、イラク戦争後の演劇およびペフオーマンスを検証する計画を一時中断したため、本年度再開したいと考える。
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Research Products
(3 results)