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2009 Fiscal Year Annual Research Report

20世紀ドイツ語圏の演劇と音楽における母型の概念

Research Project

Project/Area Number 19520210
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

藤井 たぎる  Nagoya University, 大学院・国際言語文化研究科, 教授 (00165333)

Keywords価値形態 / 恋愛形態 / マトリクス / オペラの"死" / 資本主義 / 境界侵犯 / 交換様式 / ヒステリー
Research Abstract

当研究の目的は、資本主義経済下の大量生産システムにおいて、文学・芸術の創造と受容もまた、生産と需要(消費)のサイクルに取り込まれるほかない状況のなかで、いわば歴史的時間の外に投げ出され、自らのよってたつ起源を失わざるをえなくなった20世紀の作家や芸術家たちが、意識的にせよ無意識的にせよ、主題化することになる母型の概念を軸に、20世紀ドイツ語圏の演劇と音楽が取り組んできた諸問題を明るみにする点にある。産業革命以降の資本主義の発展とともに調的和声音楽は成熟していったが、芸術音楽の生産(作曲・演奏)、および消費(聴取)は、そうした資本主義社会のメカニズムと相関関係にあることを、以下の2つの観点から考察した。
1マルクスが『資本論』で論じている価値形態は調的和声のシステムと相同的であり、またオペラにおける恋愛形態とも相同的であること。
2モンテヴェルディ、ペーリ、グルック、ハイドンたちによるオルフェオ神話を題材にした一連のオペラ、およびモーツァルトのダ・ポンテ三部作(ダ・ポンテの台本による三つのオペラ『フィガロの結婚』、『ドン・ジョヴァンニ』、『コシ・ファン・トゥッテ』)における恋愛形態を比較し、その形態の推移・変化を、マルクスが価値形態論において提示した交換形態の"進化"の過程と重ね合わせて見ることによって、恋愛もまた交換形態のひとつとして"資本主義化"されざるを得ないこと。
なお、20世紀以前のオペラの考察を行ったのは、20世紀におけるオペラの"死"が、オペラ固有の恋愛形態の破綻と深く関係していると考えられたからである。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010 2009

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] モーツァルトのダ・ポンテ三部作における恋愛技法2010

    • Author(s)
      藤井たぎる
    • Journal Title

      国際シンポジウム『戯れのテクノロジー』論文集

      Pages: 90-99

  • [Presentation] モーツァルトの『コシ・ファン・トゥッテ』における恋愛技法2009

    • Author(s)
      藤井たぎる
    • Organizer
      国際シンポジウム『戯れのテクノロジー』
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      2009-11-22

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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