2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおけるシェイクスピア上演研究のための批評言語の構築に関する研究
Project/Area Number |
19520211
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
南 隆太 Aichi University of Education, 教育学部, 准教授 (60247575)
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Keywords | シェイクスピア / 比較演劇 / 比較文学 / 上演研究 |
Research Abstract |
研究プロジェクト初年度は,(1)「アジアのシェイクスピア」がどのように英米において認識され,(2)その特徴はどのように考えることができるか,という2点を中心にして研究を行った。その際重要と考えられたのが,ポピュラー・カルチャーとアジア(日本)のシェイクスピアであり,シェイクスピア上演の評価のバイアスのかかり方であった。このような考えのもと,中間発表として以下の3つの催事を行った。 1.7月6日(金)椙山女学園大学において,『Manga Shakespeareに見る文化の翻訳と変容』(Manga Shakespeare:Cultural Translation and Transformation")と題し,イギリスの編集者Emma Hayley氏とマンガ家Emma Vieceli氏とSonia Leon氏を招き,文化的な変容と移動との関係をイギリスと日本のシェイクスピア観との関係で考察した。 2.10月11日(木)には,愛知芸術文化センター(アートスペースA)において「シェイクスピアinアジアアジアから見るシェイクスピア・シェイクスピアから見るアジア」と題して,海外からの研究者ヨン・リラン(国立シンガポール大学准教授),呉佩珍(東呉大学准教授),アレクサンダー・フアン(ペンシルヴァニア州立大学助教授)および吉原ゆかり(筑波大学准教授)をパネリストとして開催。本年度前半までの研究成果を,研究者のみならず広く一般の聴衆を対象に報告した。 3.さらに同じ愛知芸術文化センター(アートプラザ)において,10月2日より12日まで,「展示:ヴィジュアル シェイクスピア」を企画・展示した。これは上演批評言語の構築の際に問題となる,視覚的な要素に注目した展示であり,日本を中心にアジアにおけるシェイクスピアの再創造がいかに視覚的な要素を利用しているかを分かりやすく分類し,コメントを添えて展示を行った。
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