2009 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおけるシェイクスピア上演研究のための批評言語の構築に関する研究
Project/Area Number |
19520211
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
南 隆太 Aichi University of Education, 教育学部, 教授 (60247575)
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Keywords | シェイクスピア / 比較演劇 / 上演批評 / 英文学 / アジア演劇 |
Research Abstract |
研究3年目にあたる本年度は、主に二つの視点から研究に取り組んだ。(1)本年は、日本のシェイクスピア上演の英語による記述の可能性として、既存の伝統演劇の海外への紹介の在り方を検証し、その検証を基に能および歌舞伎によるシェイクスピア翻案劇の研究を行った。その際、能シェイクスピアの創作・上演活動を2年以上続けていおられる上田邦義教授の指導と協力を得ることで、貴重な上演資料を利用できただけでえなく、上演における伝統的手法とその西洋演劇への応用の際の問題点、能の手法の変化、およびそれらの英語表記の関して詳しく考察することが可能となった。その成果は、ロンドン大学での学会での発表"Revising Shakespeare on the Noh Stage : Afterlives of Shakespearean Characters," Seminar : Localising Shakespeare in Asia, led by Bi-qi Beatrice Lei.(11 September 2009)、韓国ソウルでの発表"Re-defining the 'Foreign' of 'Foreign Shakespeares' in Asia : Ninagawa Yukio's Kabuki Twelfth Night and its Audience"(24 October, 2009)、および台湾での学会発表"Is No Shakespeare in Noh Shakespeare? : Re-/Mis-Shaping Shakespeare on the Noh Stage"(27 November, 2009), 'Shakespeare in Culture : Fourth Conference of the NTU Shakespeare Forum'にまとめた。また本研究の初期の成果が、インドの研究者Poonam Trivedi氏との共編著作Re-Playing Shakespeare in Asia, edited by Poonam Trivedi and Minami Ryuta(New York ; Routldge, 2010)として出版することができた。(2)最終年度である2010年度にむけた準備として、中国・台湾。韓国の研究者とのネットワークの確立をさらに進めるとともに、日本の研究者とも連携しながら、研究成果のまとめる計画をまとめた。これは2010年度11月に開催予定の国際シンポジウムと中国・韓国・台湾・日本におけるシェイクスピア翻案作品の英語による作品集の出版とその詳細な解説の形をとる予定である。本年すでに、研究の集成に参加する予定の研究者7名の日本での共同研究集会とシェイクスピア翻案上演に携わる演劇人と連絡を取り終えている。
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