2007 Fiscal Year Annual Research Report
イメージとしての「依存」-関係性の病に関するレトリックの研究-
Project/Area Number |
19520224
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
堀 恵子 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 教授 (50157046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 裕一 大阪大学, 文学研究科, 教授 (20135635)
田口 哲也 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (00145103)
沖野 泰子 甲南大学, 国際言語文化センター, 非常勤講師 (10425100)
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Keywords | 依存 / 英米文学 / 英米文化 |
Research Abstract |
堀恵子はUCLAへの出張で入手した『セックス・アンド・ザ・シティ』関係の資料を分析する一方で「ヘンリー・フューズリとの関係に見るメアリ・ウルストンクラフトの恋愛依存」を発表した。森岡裕一と堀は「依存」をテーマにした論集を大阪大学英文学叢書第五巻として共同編集し、厳密な編集過程を経て原稿を完成させ、同書はすでに印刷作業に入っている。その中で森岡は、涙する少女のモチーフの持つ意味を考えることにより、「共依存」の視点から禁酒小説と感傷小説という二つのジャンルにまたがる共通項を抽出し、両者の接点を抉り出す論文を書いている。堀はギルバート・イムレイとの関係に見るウルストンクラフトの恋愛依存に関する論文を書いている。田口哲也は依存を形成する社会構造の解析は以下のような三つの角度から行なう。1)高度に発達した資本主義社会の社会経済構造2)「薬物」という概念の発明3)依存の長期化を可能にする表現形式。19年度は1)と3)に共通するメディア、とりわけ高度化情報社会の典型である現代アメリカ社会のメディアと表現の問題に関して集中して調査研究を行なった。ロサンゼルスでの現地調査などにより、数多くの事例を収集し、その後収集したデータを解析して、その結果の一部を用いて学会発表を行い、また2篇の学術論文を発表した。沖野泰子は依存に関する文献を購入し依存の概念をふまえた上で、フォークナーの作品(特に『八月の光』を中心に)を分析した。20年度中に成果を報告するために、学会発表を行う予定である。
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Research Products
(8 results)