2007 Fiscal Year Annual Research Report
フランスロマン主義文学に現れる音楽家像とユートピア-サンドとダグーの著作
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19520226
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
坂本 千代 Kobe University, 国際文化学研究科, 教授 (80170611)
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| Keywords | ジョルジュ・サンド / マリー・ダグー / ロマン主義 / 音楽家 / ユートピア |
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| Research Abstract |
1.サンドが思い描いた実在の天才音楽家のうち、最も代表的な人物であるショパン、べートーヴェンおよびリストについての研究を行った。そのうちりストに関しては「『旅人の手紙』第7信-サンドが描く音楽家像とフランツ・リスト」と題する論文(『仏語仏文学』に掲載予定)にまとめた。この論文はサンド作『旅人の手紙』、書簡および他の作品と、リスト作『ある音楽学士の手紙』をつきあわせていくことによって、当時の彼らの音楽観および相互影響関係のありさまについて論じたものであり、ロマン主義作家と音楽家が二月革命以前に共有した理想主義的社会改革論の具体例のひとつを提示することができたという点で重要な意味を持つと思われる。
2.上記1の研究の流れを受けて、当初予定していたサンドの創作した音楽家像の分析は平成20年度後半に回し、そのかわりダグー研究の一端である、ダグー作品中のリストのイメージを研究した。その成果を大阪府立大学でのコロキアムで講演し、論文「マリー・ダグー伯爵夫人の生涯と作品-小説『ネリダ』における事実とフィクション」(『女性学研究』掲載)として発表した。この論文は、フランスでも今まであまり取り上げられることのなかった『ネリダ』という小説に投影されたリストのイメージと、執筆当時のダグーの社会観や女性論をサン・シモン主義運動や社会思想家ラムネの影響から論じたものであり、ダグーやリストに関する研究において斬新な視点を提供することができた。
3.平成19年6月、フランスのブレーズ・パスカル大学で開催された国際サンドシンポジウムで小説『ジャンヌ』についての研究発表(内容は直接的に今回の研究課題を取り扱ったものではないが、二月革命以前のサンドの社会観について考察したものであるので、本課題研究の「ユートピア」考察部分に関わっている)を行うとともに、最新のサンド研究に関する情報交換を行った。
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Research Products
(3 results)
