2009 Fiscal Year Annual Research Report
フランスロマン主義文学に現れる音楽家像とユートピア - サンドとダグーの著作
Project/Area Number |
19520226
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 千代 Kobe University, 国際文化学研究科, 教授 (80170611)
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Keywords | ジョルジュ・サンド / マリー・ダグー / ロマン主義 / 音楽家 / ユートピア |
Research Abstract |
1.サンドのフィクションにおける音楽家像およびユートピア思想については、論文「ジョルジュ・サンドの作品における音楽家像とユートピア思想」にまとめた。本論文は今まで別々に論じられることの多かった彼女の芸術論と社会思想の結びつきについて、従来あまり注目されなかった。『リラの七弦』などの分析に基づいた群しい検討を行い、ロマン主義的想像力の解明に大きな手がかりを与えるものとなった。また、2008年刊行予定の論文「『旅人の手紙』第7信-サンドが描く音楽家像とリスト」は、掲載予定誌が発行延期のため、取り下げて内容を多少変更し「ジョルジュ・サンドとフランツ・リスト-2通の『旅人の手紙』をめぐって」という題名で別の雑誌に本年度載した。本論文は当時の彼らの音薬観および相互影響関係の有様について論じたものであり、作家と音楽家が二月革命以前に共有した理想主義的社会改革論の一つを堤示したという点で重要な意味がある。 2.ダグーの音楽家像のさらなる検討に関しては、必要資料を入手できたのが2009年末となったため、その分析と検討の結果は2010年度からの研究に生かしていきたい。 3.2009年8月にリール第3大学マルティーヌ・リード教授およびプロヴァンス大学ブリュノ・ヴィアール教授に面会し、本研究の総括と今後の方向性について協議して助言を得た。また、日本ジョルジュ・サンド学会で「天才音楽家の肖像-コンシュエロからアドリアニへ」という研究発表を行った。発表内容は本研究のサンドに関する部分の総まとめおよび芸術家像という側面から見た、日本のサンド研究の問い直しという重要な性格を持つものであり、平成23年刊行予定の共著書に収録の予定である。 4.発表論文のフランス語レジュメを2009年から申請者のホームページに掲載しており、これによって本研究の内容および研究成果を世界に向けて発信している。
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Research Products
(4 results)