2009 Fiscal Year Annual Research Report
ベルギーにおける地域ナショナリズムと芸術文化環境の変遷
Project/Area Number |
19520227
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩本 和子 Kobe University, 国際文化学研究科, 教授 (60203410)
|
Keywords | ベルギー / 芸術文化政策 / 地域ナショナリズム / 多文化共生 / フランス語文学 |
Research Abstract |
ベルギーの地域ナショナリズムの最新の実態を、芸術文化環境と創造活動の歴史と現状を踏まえて考察し、今後「多文化共生」の叫ばれる世界の中で、独自の民族的アイデンティティを維持しつつ、どのように芸術活動が機能し、また国家/地域体制と関わっていくのかを考えるのが研究の目的である。各地域・都市(オランダ語圏も含む)ごとに、独立以来のベルギーの文学や舞台芸術(演劇、オペラなど)といった芸術文化活動の環境、芸術家(ベルギー人に限らずフランス人、ドイツ人、その他ヨーロッパ人)、彼らの作品などの足跡と相互影響関係に注目し、それらのイメージや役割、現在の芸術文化活動への反映などを調査し解明するために、文献収集・調査と現地調査を行った。具体的には:1ベルギーの言語・民族・多文化状況に関する文献、文学・芸術文化関係の文献、各都市の歴史や現状についての文献を検討・分析した。23月にベルギー各都市の現地調査を行い芸術文化環境の歴史・地理的背景、制度面や文化政策の実態、文学者や芸術家の足跡を確認し、またブリュッセル大学や図書館で資料確認、研究者・芸術関係者との意見交換を行う。3ベルギー文化に関する研究会を立ち上げ(「関西ベルギー研究会」)サイトを作成、研究会を1カ月に一度のペースで行った。また19世紀ベルギーの文学活動にも影響を与えた作家スタンダールに関する研究発表や論文出版も行った。4以上の文献や現地調査について考察をまとめ(アントウェルペン、ナミュールなど)、また3年間の研究成果の報告書をまとめる。
|