2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520232
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原野 昇 Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 名誉教授 (80069161)
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Keywords | 仏文学 / 西洋史 |
Research Abstract |
1.ジュネーヴ(スイス)のボドメール図書館で資料調査を行った。写本制作の実態に関する具体的な情報に結びつくような書き込みは見つからなかった。 2.マントン(フランス)で,研究協力者のBianciotto教授と研究打ち合わせを行った。「文学の場」を考察するに際し,ピエール・ノラの「記憶の場」との関連について議論を行い,有意義であった。 3.パリ(フランス)のサント・ジュヌヴィエーヴ図書館で資料調査を行ったが,写本制作の実態に関する具体的な書き込みは見つからなかった。 4.慶應義塾大学日吉キャンパスで,不破有理・同大学教授と研究打ち合わせを行った。イギリス中世文学の立場からの知見は,フランス中世文学における「文学の場」の検討にも,大いに有意義であった。 5.そのほかに,池上俊一・東京大学教授,河原温・首都大学教授から,歴史学の立場からの種々の助言をもらった。文学作品をとおしてフランス中世社会をみるのみではなく,「社会のなかにおける文学」の視点からアプローチすることの有用性をめぐって,いろいろ議論を行った。 6.山代宏道・広島大学大学院文学研究科教授と,フランス中世文学におけるキリスト教の問題について,議論を行った。その議論をもとに,本研究のなかで,「文学の場としてのキリスト教」という,一つの重要な柱を立てることにした。
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