2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520232
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原野 昇 Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 名誉教授 (80069161)
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Keywords | 仏文学 / 西洋史 / 文学の社会学 |
Research Abstract |
1.フランスのレンヌ大学で2008年7月15日-20日に開催された国際アーサー王学会に出席し,世界中から参加していたヨーロツパ中世文学研究者とヨーロツパ中世における「「文学の場」について議論し意見交換を行った。各国における「文学の場」の視点からの研究の現況について情報を交換した。特に国際アーサー王学会副会長のChristine Ferlampin-Acherレンヌ第2大学教授,およびDenis Hue同大学教授からは,フランス・ブルターニュ地方におけるアーサー王文学の受容について,ブロセリアンドの森の存在の重要性について,詳しく教示を乞うた。イマジネールの世界における,地理的,空間的場が「文学の場」に果たす役割について考を深めることができた。 2.慶應義塾大学日吉キャンパスで,研究協力者の不破有理・同大学教授から,イギリス中世文学,およびケルト文学における「文学の場」について,指導を受けた。 3.池上俊一・東京大学教授から,昨年度に続き,歴史学の立場からの種々の助言をもらつた。文学作品をとおしてフランス中世社会をみるのみではなく,「社会のなかにおける文学」,文学のみでなく広く芸樹一般の「トポス」,「場」,「定型性」に関して,有意義な示唆を受けた。 4.山代宏道・広島大学大学院文学研究科教授,同水田英実教授と,ヨーロッパ中世における伝統と刷新の問題について,議論を行った。その議論をもとに,本研究のなかで,文学の主題,モチーフ,表現の継承,伝統と,その時代の鑑賞者を考慮してそれらの刷新を考慮することによつた,「文学の場」に新しい視点を加えることができた。
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Research Products
(2 results)