2008 Fiscal Year Annual Research Report
アンドリュー・マーヴェルと17世紀英文学における戦争と平和について
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19520236
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉中 孝志 Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 教授 (30230775)
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Keywords | マーヴェル / 17世紀英国 / 戦争 / 平和 / 摂理 |
Research Abstract |
1)政治・宗教の文脈で考察されたアンドリュー・マーヴェルに関する先行研究の整理統合を引き続き行った。散文作品と詩作品への今世紀に入ってから加えられた新た文献学的注釈による知見を精査したが,特にNicholas McDowel1によるPoetry and Allegiance in the English Civil WarsはThomas Stanleyを中心とする詩人たちの集まりが、マーヴェルの言説に関わってとする論を展開しており、平和・反戦論の点からも興味深い知見示唆するものであることが判明した。'To His Coy Mistress'論に修正を加え、外国人研究者の校閲を受けた。 2)また、Sir William Davenantによる叙事詩(Gondibert: An Heroick Poemに関してはThe Second Bookの精読を完了し、反戦論的主張を分析し、'Upon Appleton House'論にさらなる加筆を行った。 3)本年度は予定通り、連合王国ダラムで開催された17世紀英文学会に参加し、王党派詩人であるHellr vauhanに関する研究に参加し、他の研究者意見交換をいった。また、大英図書館、及びオックスフオード・ボドリアン図書館で、一次資料の分析を行い、17世紀英国貴族たちの個人書簡、日記等に平和主義のさらなる背景を調査した。 4)聖戦論の現代的表れの一例として現代新興宗教の一つであるモルモニズムが殺人と信仰との関わりをどのように表現しているかを文学的語りの理論を援用して考察した。口頭発表するとともに加筆修正を加え、表現技術研究センター発行の『表現技術』第5号に発表した。
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