2008 Fiscal Year Annual Research Report
オースティンを中心とした18世紀イギリス小説の医学文化論及びジェンダー論的研究
Project/Area Number |
19520237
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
武井 暁子 Chukyo University, 国際教養学部, 教授 (00403634)
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Keywords | 18世紀イギリス小説 / ジェンダー / 医学史 |
Research Abstract |
20年度は、本研究に必要な18世紀医学のディスコースをジェンダーの観点から分析し、医学史の専門家以外にもわかるように平易に論じた研究書は探し、文学テクスト研究に役立つものを取捨選択した。一例を挙げると、Londa Schiebinger,The Mind Has No Sex?Women in the Origins of Modern Science(1989),Thomas Laqueur,Making Sex:Body and Gender from the Greeks to Freud(1990)などの先行研究を精読し、独自のジェンダー論を構築するための一助とした。「研究実施計画」に記載した、女性の置かれていた社会的・文化的立場についての検討は中途であるため、21年度に継続する。 平成20年8月26日〜9月13日までイギリスに出張し、アバディーン大学、エディンバラ大学、大英図書館において資料収集を行った。 研究成果の公表については、19年度の研究成果の一部が、横山茂雄編、『危ない食卓--十九世紀イギリス文学にみる食と毒』(新人物往来社、平成20年12月)に掲載された。執筆を担当したのは「第2部イギリス文学にみる〈危ない食卓〉」の「食べてはいけない、食べない、食べられない-ジェイン・オースティンの拒食症患者を診断する」(pp.136-68)、「第3部翻訳資料」の「神経性食欲不振症(ヒステリー性消化不良、ヒステリー性食欲不振症)ウィリアム・ウィズィ・ガル」(pp.259-72)である。これについては、書評やピアレビューを参考に改訂を重ね、将来的には単著の公刊を目指す。 さらに、国際的な場で評価を受けるため、平成21年7月にイギリスで開催される学会"New Directions in Austen Studies"での研究発表に応募し、受諾された。
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