2007 Fiscal Year Annual Research Report
初期「新フランス評論」誌と同時代文芸誌――「詩と散文」誌と関係を中心に――
Project/Area Number |
19520239
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉井 亮雄 Kyushu University, 大学院・人文科研究院, 教授 (40200927)
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Keywords | 新フランス評論 / 詩と散文 / アンドレ・ジッド / ポール・フォール |
Research Abstract |
当初の計画どおり、初年度の研究作業は「新フランス評論」誌創刊前後の文芸誌間交流についての具体的調査が中心となった。 本研究課題が対象とする時期(一応の区切りとして1904年からの10年間)に刊行され、かつ「新フランス評論」グループと何らかの関わりがあったフランス内外の文芸誌については、すでに関連書誌作成などの予備的作業にもとづき研究方針を定めていたが、本年度は、なかでもとりわけ重要な同時代文芸誌「詩と散文」(ポール・フォール主宰)にかんする資料調査をおこなった。 掲載テクストの総体的分析によって同誌の基本的な編集方針や文学的主張の傾向を探るとともに、未刊行の文献や資料の閲覧・筆写のために、2度にわたりフランスで現地調査をおこなった。主要な訪問機関は、パリ大学附属ジャック・ドゥーセ文庫およびパリ国立図書館の2カ所であったが、ポール・フォールと「新フランス評論」の創刊者アンドレ・ジッドとの聞で交わされた未刊書簡の調査を完了。これによって両者の交友のみならず、2つの文芸誌間での活発な相互交流の実態を把握することができた。記載テクストの精確な筆写は時間をとる作業であるが、すでに親交を結んでいるフランス人研究者・図書館司書に解読・筆写の協力を仰ぎ、効率よく作業を進めることができた(協力は個人的な友誼にもとつくものであり、すべて無償である)。
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