2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520261
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
野口 啓子 Tsuda College, 学芸学部, 教授 (60180717)
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Keywords | 英米文学 / ルネッサンス / ナショナリズム |
Research Abstract |
本研究は、19世紀中葉のルネッサンス期アメリカ文学を、従来活発に行われてきた人種・階級・ジェンダーという視点からの研究に、(文学的)ナショナリズムという視座をからめて考察するとともに、この時期を多角的にパノラマ式に捉えてみようとするものである。初年度の平成19年度は、この時代の社会・政治的基軸となる第16代大統領アブラハム・リンカンの演説を中心に、彼の演説が共和国の理念やアメリカン・デモクラシーが直面した政治的・社会的矛盾を乗り越えようとする過程で、アメリカ国家形成およびナショナリズムの形成に重要な役割を果たしていることを明らかにした。平成20年度はこの成果をもとに、アメリカ文学との関わりを中心に検証した。その際に、女性・人種・階級とナショナリズムばかりでなく、その延長線上に、アメリカ文化に深く根付いた帝国主義的要素が新たに浮上した。それを“Harriet Beecher Stowe and Abraham Lincoln: Two Giant Jeremiahs in Mid-Nineteenth-Century America"にまとめた。 また、北部中心のナショナリズムを相対的に考察するため、リンカンと同時代の南部作家エドガー・アラン・ポーとも比較検討することで、よりその特質を明らかにした。その成果を、ポー学会のシンポジウムで発表した。
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Research Products
(1 results)