2008 Fiscal Year Annual Research Report
ディケンズとギッシングの小説における階級意識表象としてのインテリアの分析
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19520282
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
三宅 敦子 Seinan Gakuin University, 文学部, 准教授 (10368970)
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Keywords | ヴィクトリア朝小説 / インテリア / 階級 / 英米文学 / 19世紀 / 文化史 / art education |
Research Abstract |
今年度は最終年度として以下の研究を行い、その成果を得た。 1. まず平成20年度4月に実践女子大学図書館で_Art Union: A Monthly Journal of Fine Arts_(1839-1848)に関して昨年度と同様に「趣味」「芸術教育」「インテリア」に関する記事を収集した。 2. 研究成果の一部を論文「_Bleak House_における家具とロンドン万博のインターアクティブな関係」にまとめた。内容としてはこれまでロンドン万博についての言及がほとんどないと論じられてきたディケンズの小説『荒涼館』でも「家具」をキーワードに見ていけば、ロンドン万博に言及していると解釈できるというものである。 3. 1の成果と合わせて昨年度収集した19世紀の美術雑誌_Art Journal_(1849-1912)全巻分の関連記事を詳細に分析したところ、ロンドン万博の頃と19世紀末とを比較するとインテリアの考え方に変化があることが判明した。またその変化とディケンズとギッシングの小説に見られる家具への言及の変化とに共通性があることも判明した。 4. 3の成果については2009年8月22日のRSVP(Research Society for Victorian Studies)年次大会での発表に向けて現在準備中である。
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