2008 Fiscal Year Annual Research Report
サンスクリット大叙事詩マハーバーラタのテキスト形成史の解明
Project/Area Number |
19520293
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土田 龍太郎 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20163826)
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Keywords | マハーバーラタ / ハリヴァンシャ / プシャミトラ / アシュヴァメーダ / バールガヴァ |
Research Abstract |
平成20年度は19年度の研究成果を踏まへ、大叙事詩マハーバーラタ(Mbh)およびその附篇ハリヴァンシャ(Hv)のテキスト形成と年代論について調査考察を進め、ほぼ以下のやうな成果をあげることができた。 (1)Hv第3部すなはちHv115-118の隠れた主題はシュンガ王朝開祖プシャミトラ王のアシュヴァメーダ祭挙行である。この部分はしたがつてシュンガ王朝中期後期に成立したと思はれる。 (2)HvがMbhの語りの枠を踏襲してゐることに留意すれば、MbhのU伝本は遅くともシュンガ朝初期に形成され、より古いV伝本の成立はマウリヤ朝期もしくはさらに前マウリヤ朝期に遡るものと考へられる。 (3)MbhとHvの形成には、形成時の政治状況がきはめて微妙な形で反映してゐる。 (4)バールガヴァ婆羅門がMbhの形成に決定的な役割を果たしたといふ従来の学説は認られない。
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