2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520298
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
齊藤 大紀 University of Toyama, 人文学部, 准教授 (70361938)
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Keywords | 中国 / 現代文学 / 北京 / 文学結社 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続き、『世界日報副刊』の目録作成の基礎作業を行った。 これと合わせて、日本国内では容易に目睹できない、胡也頻『聖徒』、『四星期』、『詩稿』の民国時期に出版された版本の精読を行い、これまで革命烈士として取り上げられていた胡也頻の、近代化を進める1920年代の北京におけるモダン・ボーイとしての側面に光を当てつつ、論考をまとめるべく準備を行った。 このほかに資料の収集を行い、1.秦方奇校注『徐玉諾詩文輯存』(河南大学出版社、2008年)、2.王統照『王統照全集』(中国工人出版社、2009年)、3.王風編『廃名集』(北京大学出版社、2009年)、4.鍾叔河編訂『周作人散文全集』(広西師範大学出版社、2009年)などの全集を中心に購入した。これらの徐玉諾、王統照、廃名、周作人らは、当時の北京にあって活躍し、また文学青年たちの間で人気のあった詩人・文学者である。1の秦方奇校注『徐玉諾詩文輯存』については、徐玉諾が沈従文や干〓虞といった文学青年たちに大きな影響を与えたにもかかわらず、これまでなかなか作品を目にすることができなかったが、同書によって彼の作品のあらましがようやく知れるようになった。徐玉諾の詩文の詩文についても、今後、精読を行ったうえ、論考をまとめてゆきたいと考えている。このほか2~4の全集・作品集についても、周作人のものを除き、初めての全集、大規模な作品集であり、当時の文学的な環境を知るためには、不可欠な書物である。 また日本における沈従文研究の論文目録を、小島久代氏との共著で『お茶の水女子大学中国文学会報』第29(2009年4月刊行)に掲載する予定である。 本年度の成果としては、本研究によって、これまでに行った研究の成果をまとめて、報告書として印刷・配布を行った。
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