2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520329
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
長崎 郁 Tokyo University of Foreign Studies, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (70401445)
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Keywords | 記述言語学 / 危機言語 / コリマ・ユカギール語 / ロシア / シベリア |
Research Abstract |
東シベリアで話されるコリマ・ユカギール語について、現地調査を中心とした一次資料の収集と整理をおこなうとともに、記述言語学的研究を進めた。 現地調査は2007年7月2日から8月13日の約一カ月間、ロシア、マガダン州セイムチャンとサハ共和国ネレムノエにおいておこなった。調査では、民話3点を含むテキストの音声資料の収集、語彙調査、形態論と統語論にかんする聞き取り調査をおこない、それぞれ一定の成果を得ることができた。音声資料についてはデジタル形式で録音をおこない、今後の利用と公開に備えた。 現地調査で得られたテキスト資料は本年度中に聞き起こしをおこない、形態分析もほぼ終えた状態にあるが、いくつかの不明な点が残っている。この点については今後の調査において確認してゆきたい。これらのテキスト資料、および、これまでの現地調査で収集したテキスト資料は、最終年度に研究成果として公開をおこなう予定である。 また、現地調査で得られた一次資料にもとづき、コリマ・ユカギール語の倚辞(付属語)の問題をとりあげ、自立語や接辞との違いといった認定上の問題、および、倚辞と認められる要素の機能にかんして考察と記述をおこなった。この成果は、論文「コリマ・ユカギール語の倚辞について」(『アジア・アフリカの言語と言語学』2:29-48)として発表した。
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