2008 Fiscal Year Annual Research Report
生成文法の極小理論における統語上の連鎖の役割と解釈メカニズムについての研究
Project/Area Number |
19520332
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
R・A Martin Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (30302342)
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Keywords | 理論言語学 / 生成文法・極小理論 / 連鎖(形成・解釈メカニズム) / コントロール構文 / 周縁領域 / 国際研究交流 / アメリカ:スペイン:イタリア |
Research Abstract |
マーティン:2008年にスペイン・バスクで行われたWays of Structure Buildingを始め4ヵ所で講演を行った。一連の講演における研究成果として、連鎖が一致現象の一つであり、連鎖は一致という基礎的な統語操作の本質から派生されて、言葉の根本を成すものである可能性を示した。特に、従来は先行詞とPROの関係が決定的な説明がなかったコントロール構文においても、一致操作の結果による連鎖の形成が重要な働きを示し、コントロール構文が連鎖の性質を如実に示すものであるという分析を発表した。更にメリーランド大学のUriagereka教授を日本に招聘して共同研究を精力的に進め、共同発表では統語構造処理に関連する認知メカニズムの処理操作が連鎖形成に深く関与しているという方向性を示した。一連の研究は、平成20年度の研究目的であるコントロール構文を含め複数の意味役割を伴う連鎖形成にも同様の分析が適用できることを示して新たな示唆を与え、本研究プロジェクトの連鎖の本質についても一定の成果を上げた。又、2008年8月に行った国際ワークショップ等でUriagekeka教授を始め国内外から著名な研究者を集めて連鎖の形成・本質について積極的な意見交換を行い、研究を進めるのに大いに役立った。平成21年度でも、引き続き、海外協力研究者であるUriagereka教授との共同研究を強力に押し進め、英語とスペイン語などの諸言語を観察しながら、平成20年度に得た研究成果を基に連鎖の本質の解明を目指す。 連携研究者である遠藤はシエナ大学のRizzi教授との共同研究題目である統語構造図作成に従事し、日本各所とスイス・ジュネーブにおいて積極的に様々な研究成果を発表した。とりわけ、談話情報及びムード・モーダルに重点を置いて、連鎖の形成を視野に入れながら周縁領域の統語構造図の一端を明らかにしている。平成21年度も同様に、日本語の統語構造図の作成に従事する。
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Research Products
(5 results)