2009 Fiscal Year Annual Research Report
生成文法の極小理論における統語上の連鎖の役割と解釈メカニズムについての研究
Project/Area Number |
19520332
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
R・A Martin Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (30302342)
|
Keywords | 理論言語学 / 生成文法・極小理論 / 連鎖(形成・解釈メカニズム) / コントロール構文の分布 / 周縁領域 / 国際情報交換 / スペイン・イタリア / 比較統語研究 |
Research Abstract |
マーティン:奈良女子大学で行われた第2回日本英語学会国際春季フォーラムにて、連携研究者である藤井と宮城学院女子大学の木口准教授を発表者として、本研究プロジェクトの趣旨に基づくワークショップを主催した。他に、同フォーラムで本研究プロジェクトの研究成果に根差した内容の招聘講演を行った。講演では、連鎖形成に一致操作が関与するという一連の研究を公表するだけではなく、統語メカニズムにおける連鎖の役割を明確にし、連鎖の普遍的性質の解明に示唆を与えた。又、「言語の起源と進化の国際セミナー」の招聘講師として来日したバルセロナ自治大学のBoeckx教授と積極的に意見交換を行い、研究の進展に役立てた。更に、国際ワークショップなどを開催することにより、Northwestern大学の吉田准教授を始め国内外から著名な研究者を集めて、連鎖の形成・本質について充実した議論を行い、大いに研究を深化させた。平成22年度は、Uriagereka教授・Boeckx教授と密接に連携を取り、様々な諸言語に基づく知見を核とし、平成19-21年度に得た研究成果を発展させ、連鎖の普遍的な本質の解明及び形成メカニズムの確立を目指す。 連携研究者である遠藤はシエナ大学のRizzi教授と共同研究に従事し、統語構造図作成に向けて精力的に研究を行い、ハンガリーのMinimalist Approaches to Syntactic Localityを始め6ヶ所で発表を行った。又、著書も4点刊行し、積極的に研究成果を公開した。本年度も、Rizzi教授との共同研究を軸にした比較研究を焦点に置いて、日本語の統語作成図製作に従事する。 連携研究者である藤井は上記のワークショップにて発表した他に3件の発表をし、計4件の発表を行った。日本語の名詞節を中心にコントロール構文の研究を発展させ、様々な手法を使って日本語におけるコントロール構文の性質を調べ上げ、比較研究から得られた知見を基に移動が関与している可能性を追求した。今年度も引き続き、日本語のコントロール構文について調査を続け、移動分析の研究に従事する。
|