2007 Fiscal Year Annual Research Report
清朝の言語政策と社会変動に係わる漢語の多層性に関する研究-公用語の脈流を視座に-
Project/Area Number |
19520333
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤田 益子 Niigata University, 国際センター, 准教授 (10284621)
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Keywords | 清朝 / 漢語 / 満漢合壁資料 / 公用語 / 満州語 / 北京語 / 語彙 / 言語政策 |
Research Abstract |
第一段階として、「少数派民族の多数派支配による共生」と「満洲族支配という特殊状況下での漢語への影響」というテーマを中心に考察を進めた。清朝成立後、北京では内城に旗人が入りその言葉が基準となった。そのため明代の北京語に対して断層を持ち、河北方言の影響や古い形を残すとの指摘もある。そこで、満洲語と周辺方言の漢語語彙への侵入状況を検証するため、満漢合壁資料を基に、漢語資料と対比することにより、「特に北方方言や北京語に入り込んでいる満洲語」や「満洲語の影響を受けた漢語語彙」、等の整理を行ない、漢語への影響の考察を行った。 手順と方法:(1)満洲語と漢語の合壁資料を中心として、文法、語彙の歴史的変化を整理した。(2)北京語で書かれた白話小説やその他の漢語資料の語彙を調査し、対比することで相違のある特有の表現を探し出した。これにより、(1)「北方方言や北京語に入り込んでいる満洲語」(2)「満洲語の影響を受けた漢語語彙」(3)「満洲族によって持ち込まれた周辺方言」以上の三点について、調査研究を進めた。 調査対象と主要設備との関連:(1)合壁資料の代表的な会話書である『清文指要』、『満漢成語対待』、『清文啓蒙』等について、版本間の異同も含めた調査を行った。(2)収集した資料は、順次、データベースとして入力し、言語資料としてまとめた。
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Research Products
(1 results)