2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520338
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丸尾 誠 Nagoya University, 大学院・国際言語文化研究科, 准教授 (10303588)
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Keywords | 中国語 / 空間認識 / 移動動詞 / 現代中国語文法 / 方向補語 |
Research Abstract |
現代中国語における空間表現に関する各種文法研究のテーマの中で、本研究課題である発話者の空間認識が顕著に反映された文法事象の1つとして「方向補語の派生義」が挙げられる。各種方向補語の用法に関する体系的な解釈の構築を目指す一環として、平成21年度においては、前年度からの継続して行っている方向補語の用法を中心に取り上げ、その成果を論文「中国語の方向補語"出(来/去)"の表す意味」としてまとめた。 本論文ではその反義語である"進"がいわゆる派生義の用法に乏しいのとは対照的に、「結果義」をその主な用法として有する"出"類の表す意味について、それらと結び付く動詞の意味特徴に基づいて考察を試みた。考察の過程において、"賣出"および"買進"の組み合わせに比して使用頻度が低い動補フレーズ"買出"の用法を特に取り上げ、それに関連する周辺的な文法事象についてもあわせて論じた。2010年に刊行予定の論集に掲載されるこの論文は、2009年6月に愛知大学で開催された「中国語教育学会第7回全国大会」における口頭発表がもとになっている。 また、これまでの一連の方向補語に関する研究を踏まえ、2009年12月19日(土)に名古屋大学で開催された「中国語話者のための日本語教育研究会第14回研究会」において「中国語の方向補語について-日本人学習者にとって分かりにくい点」という題目で口頭発表を行なった。本研究課題の成果を中国語教育に反映させる試みとして、現在、別途文法書(単著)やテキスト(共著)の執筆にも取り組んでいる。
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Research Products
(2 results)