2010 Fiscal Year Annual Research Report
大規模な電子資料の利用による日本語文法の未開拓の基礎的諸問題の原理・実証的考察
Project/Area Number |
19520342
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田野村 忠温 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40207204)
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Keywords | 日本語 / 日本語学 / コーパス |
Research Abstract |
本研究課題は、日本語の大規模な電子資料(コーパス)を用いて日本語文法の未開拓の基礎的な諸問題を考察することにより、電子資料に基づく日本語研究の基盤の形成と発展に寄与するとともに、電子資料利用の目的である日本語研究そのものに対して実質的な貢献をもたらすことを目的としている。 今年度は、前年度までに引き続き、国立国語研究所で構築中の『現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)』、自作の巨大な規模のWebコーパス、国会会議録のデータ、Yahoo!知恵袋ベータ版データといった、最近利用可能になった各種の電子資料を用いて、日本語文法の基礎的な諸問題の考察を進めた。 重点的に取り組んだ事例研究には、コロケーションの概念の再考と分析手法の再検討がある。前年度からの研究を発展させたものを『言語研究』掲載の論文として発表するとともに、日本語の分析を通して得られた知見を英語や中国語のコロケーションの分析に適用する可能性を検討した。 前々年度からのサーチエンジンの調査分析は今も継続して行っており、本年11月13日に主要サーチエンジンの関係に大きな変化が生じたことを確認した。簡略な報告はすでにWebサイトに掲載した。 研究成果の国外への発信にも力を入れ、英語論文2編の刊行(加えて1編が来年に刊行予定)のほか、スペインで開催されたコーパス言語学国際会議での発表、北京日本学研究センター(中国)、台湾大学(台湾)、高麗大学校(韓国)でのコーパス言語学関係のシンポジウム、ワークショップでの講演・発表などを行った。
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