2008 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム語における漢越語の品詞性に関する共時的・通時的研究
Project/Area Number |
19520357
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 政明 Osaka University, 世界言語研究センター, 准教授 (10314262)
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Keywords | ベトナム語 / 漢語 / 漢越語 / 品詞 / 日本人ベトナム語学習者 / ベトナム人日本語学習者 / 学習者データ / 誤用分析 |
Research Abstract |
本研究課題は、現代ベトナム語と日本語を相互に学ぶ場合に遭遇する「漢語」をめぐる問題について考察し、ベトナム語における漢語系語彙(漢越語)の諸特徴の中でも、品詞をはじめとする統語的特徴を含む様々な側面について、言語転移の実情も視野に入れながら漢越語の統語的特徴を共時的・通時的観点から分析するものである。 平成20年度においては、本格的な漢語系語彙の統語レベルにおける分析作業に着手すると同時に、通時的側面における考察の準備作業を行った。具体的には、1.ベトナム語母語話者コーパスの整備と同コーパスと各種レキシコンの分析による漢語系語彙の統語論的特徴(特に品詞)の抽出、2.ベトナム人日本語学習者による産出データの分析を通じた漢語系語彙の使用に関する調査、日本人ベトナム語学習者の産出データの収集とその分析による同種の調査、及び3.通時的考察の基礎となる各種文献の予備的調査である。 初年度に整備したベトナム語母語話者コーパスおよび近年出版された各種辞書類から漢語系語彙の諸特徴の中でも特に統語的特徴を抽出するための基礎的作業を行った。対象となる漢語系語彙は初年度に作成したリストに基づく。同時に従来のベトナム語における品詞分類の研究を参照しつつ、コーパスを基に帰納的に抽出された各語彙の品詞性について記述を始めた。 次いで、初年度に着手したベトナム人日本語学習者及び日本人ベトナム語学習者による産出データの収集作業を行った。同時に、研究協力者の補助の下、同データベースの電子化を続行し、収集されたデータを専用の計算機に蓄積した。構築された学習者コーパスの分析作業に着手しつつ、産出データに基づく漢語系語彙の正用・誤用の状況について帰納的分析を開始した。その際、上記の統語的特徴の比較という観点から、転移による誤用と判断できるものに関して特に記述・検討を行った。 また、通時的側面からの分析に着手した。
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Research Products
(5 results)