2009 Fiscal Year Annual Research Report
削除構文の獲得における日英語比較研究:日英文法の第一言語獲得の理論的・実証的研究
Project/Area Number |
19520361
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
木口 寛久 Miyagi Gakuin Women's University, 学芸学部, 准教授 (40367454)
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Keywords | 言語獲得 / 削除構文 / 日英対照言語学 |
Research Abstract |
今年度は、英語における理論的研究では英語のpseudo-cleftsで語順倒置が起こっている構文(inverted specificational pseudo-clefts)の構造分析を行なった。Bachrach(2003)のspecificational pseudo-cleftsの分析をさらに推し進め、英語のinverted specificational pseudo-cleftsも、Bachrach(2003)がヘブライ語およびフランス語に対し提案した再構築現象と削除が協働した分析が適用可能であると主張した。さらに英語における実証的研究において、海外共同研究者Rozz.Thorntonによりuninverted specificational pseudo-cleftsおよびinverted specificational pseudo-cleftsと束縛原理の相関に関する複数の第一言語獲得実験が実施され、本研究での理論的研究の実証を試みた。そして、これらの研究成果は日本言語学会139回大会ワークショップ:On interaction between syntactic and semantic interpretations in child grammarで発表された。 本研究でなされた理論的研究はRizzi(1997)が提唱した補文標識句(CP)の内部構造を援用している。本研究での理論的研究の実証実験により支持されたことは、英語を母国語とする幼児の文法理論においてもRizzi(1997)が提唱する豊かな補文標識句(CP)構造が必要であることを示唆すると思われる。
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Research Products
(2 results)