2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520381
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
小熊 猛 石川工業高等専門学校, 一般教養科, 准教授 (60311015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 要 石川工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (80124022)
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Keywords | 連体修飾 / 関係節化 / 主語マーキング / 認知文法 / 参照点 |
Research Abstract |
本研究は,日本語と韓国語の連体修飾節表現の対照,とりわけ両言語の方言レベルでの振る舞いに注目した調査分析を通して,「認知モード転換」という観点に基づく日本語の連体修飾節内の主語の言語化に関する一般化の理論的妥当性を、韓国語の連体修飾構造への適用可能性という観点から検証を試みたものである。 日本語の連体修飾節構造をより広範かつ詳細に観察した結果,属格で格マークされる主語名詞について,(a)節内主語と分析される(Clause-Internal)タイプに加えて,(b)節外から被修飾名詞句(主要部)にかかると分析される(Nominal Topic)タイプを措定する必要性が明らかになった。 この2つの分類は韓国語の連体修飾節内の主語の格マークの振る舞いを理論的にうまく捉えることができる。韓国南部の麗水で行った調査の結果,韓国語の南部方言においては標準的韓国語とは異なり,他動性が低い叙述については必ずしも属格主語が非文にはならないことが明らかになった。この異なる振る舞いの一方で,南部方言も標準的韓国語と同様(1)形容詞述部の主語については,他動性の低さにもかかわらず,主格に代えて属格助詞-euiでマークできない,(2)連体節内述語が被修飾語(主要部)と項関係にない、いわゆる語用論的関係節の主語については属格-euiが現れる,といった特徴を示す。これらの事実は,韓国語は日本語とは異なり,(b)のNominal Topicタイプの主格・属格交替を潜在的には許す可能性がある一方で,(a)のClause Internalタイプの主格・属格交替を許さないことを示唆していると考えられる。
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Research Products
(2 results)