2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520391
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 文俊 Nagoya University, 文学研究科, 教授 (90205675)
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Keywords | 漢文訓読 / 日本語史 / 翻訳語法 / 近世 / 近代語 |
Research Abstract |
日本において長い伝統を有し、また、欧文直訳体や翻訳語法にも大きな影響を与えている漢文訓読語法に焦点をあてることにより、江戸・明治期における翻訳語法の変遷と、現代日本語の形成過程を解明していくことがこの研究の目的である。 本研究においては、江戸・明治期において刊行された漢文訓読資料・白話小説資料・蘭学資料・英学資料・明治期翻訳小説を調査し、その語法の変遷を漢文訓読語法を中心に整理することにより、明治期の語法・文体に与えた影響を解明していく。 このため、本年度は、以下の1〜3のような調査・研究を行った。 1. 昨年度調査・収集した資料を整理し、補充すべき資料を購入した。また、データベース作成段階で、再調査の必要が生じた資料については、東京大学附属図書館等で確認作業を行った。 2. 上記調査の段階で、近世漢文訓読語法と、近代の文章との関わりを顕著に示す資料として、「聖書」があることが確認され、明治期に翻訳された「聖書」4種(漢訳聖書・ヘボン訳聖書・翻訳委員社中訳聖書)について、翻刻の上、コンピュータ入力し、ヨハネによる福音書の対照本文データベースを作成した。(テキストファイルでも作成し、検索ソフトなどでの利用も可能である。) 3. 作成したデータベースを利用することにより、江戸時代から明治時代にかけての翻訳語法の変遷と、近代日本語の形成過程を解明していく見通しが得られた。
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