2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520395
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渋谷 勝己 Osaka University, 文学研究科, 准教授 (90206152)
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Keywords | 方言文法 / 文末詞 / 山形市方言 / 記述 |
Research Abstract |
本年度は、以下の作業を行った。 (a)個々の文法項目の記述と公開 本年度は、山形市において3日間の臨地調査を行って、新規情報を聞き手に伝達する際に使用される文末詞ジェの用法に関するデータを収集し、類似する機能をもつ文末詞ヨ・ズ・バと対照しつつ記述を行った。また、当該方言のさまざまな文末詞が長音化される事象について分析を加え、当該事象が担う3種の語用論的機能を見出した。いずれも先行研究がなく、学界に新たな知見をもたらしている。 (b)談話データの収集と文字化 山形市生え抜きの高年層2名による自然談話を収録し、一部文字化を行った。当該方言のデータの蓄積に寄与している。なお、本データは上記(a)の作業に使用した。 (c)理想的な文法記述の追究 世界各地の言語を記述した文法書や類型論関係の著書をレビューし、その取り上げた言語項目の範囲、構成と内容、データの質・量・提示方法などについて整理した。この整理に基づいて、国立国語研究所が刊行した『方言文法全国地図』全6冊が方言文法の記述にどのようなかたちで使用できるかを検討して論文にまとめ、また方言文法研究の今後の展望を行う口頭発表を日本言語学会で行った。いずれも、本研究分野の今後の活性化に寄与するものと思われる。
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