2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520404
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
彦坂 佳宣 Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (00111237)
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Keywords | 尊敬語 / オーニナル / ナサル / 伝播類型 |
Research Abstract |
1.尊敬語の分布の史的解釈 『方言文法全国地図』6巻の271-273図「書きますか」を対象に分布の解釈を行い、合わせて国語史の尊敬語表現史の成果を参照し、これと対比してその歴史的な解釈をした。 結果は、オーニナル形式は都市部を中心に全国にあり、近畿と東京から発信されたとは思われるものの、共通語として広く各地に飛び火していること、ナサル系の形式が近畿中央部は早くナハル・ハル化し、西日本では各地にナサル・ナルなどがあること、中国地方には〜テジャ(ヤ)などがあること、既に指摘はあるが東日本はいわゆる無敬語地帯であり、西日本の土佐地方もこれに類することなどが明らかになった。 しかし、敬語の使用は任意的であり、文法論的なものが特定の使用を強制されるのと違う点があり、解釈に難しさが感じられた。 2.伝播類型の視点では、『方言文法全国地図』の意志・推量、原因・理由、仮定条件、順体助詞などの諸図から幾つかの伝播類型について試論的な論をなした。
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Research Products
(4 results)