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2009 Fiscal Year Annual Research Report

伝播類型の視点からみた日本語形成史の試論的研究

Research Project

Project/Area Number 19520404
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

彦坂 佳宣  Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (00111237)

Keywords『方言文法全国地図』 / 言語地理学 / 方言文献史 / 条件表現 / 待遇表現 / 意志・推量表現 / 伝播類型
Research Abstract

今年度は,意志・推量表現について,追加的な研究をし,また,仮定条件,逆接条件,および待遇表現を研究した。
意志・推量表現については,東海,ナヤシ(長野・山梨・静岡)地方の一部に,ダラ・ズラ・ラなど古態かつ方言化した形式があること,同じく,この地方の勧誘表現についても,似た性格があることを述べた。これらは,西部日本の周辺部としての当地域の特色であることを考えた。
条件表現については,逆接確定表現が,仮定条件法の分布様態と似て,方言周圏論的な分布をすること,またその伝播模様について考察した。待遇表現においても,国語史の模様と比較し,よく対応することを見た。
この研究はこれらの地図の解釈をとおして,伝播類型をさぐること,それをとおして日本語の形成史研究の手始めとすることである。これらの点については,以下のような点が現れた。
中央語で比較的歴史の古い意志・推量,条件法などの諸形式は,全国分布型をとり,近畿から西日本には新しい形式が比較的すみやかに,東日本へは日本海側への伝播が早く,太平洋側には遅く,従って太平洋側には古い形式の方言化した模様が見られる。また,東西両端の九州西部・南部と東北地方には古態的な模様とその方言化の模様が強い。
これに対し,中央で比較的新しい時代に成立した準体助詞,逆接条件のうちのケレドモ類,敬語のうちのアナタ,オーニナルなどの形式は,近畿から西日本へ,次に飛び火して江戸・東京からも放射され,上方と江戸の東西の2中心地から放射され,今まで東西方言として二分されていたものが,西部方言の内部でも近畿が中央で九州と中部地方が周辺部,東日本でも関東中央部が中心となり関東西部と東北が周辺部,そしてこの場合の東部方言では新しい形式が日本海側よりも太平洋側を北上する模様があるように思う。このような東・西ごとの方言周圏論的な伝播模様とその経路の違いのあることが分かってきた。

  • Research Products

    (3 results)

All 2010 2009

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 近世後期庄内郷土本類の順接条件-『方言文法全国地図』解釈の前提として-2010

    • Author(s)
      彦坂佳宣
    • Journal Title

      同大語彙研究(同志社大国語研究室) 12

      Pages: 27-42

  • [Journal Article] 東海・東山地方における意志・推量表現の交渉と分化2009

    • Author(s)
      彦坂佳宣
    • Journal Title

      論究日本文学(立命館大学日本文学会) 91

      Pages: 1-12

  • [Journal Article] 東海・ナヤシ地方の勧誘表現2009

    • Author(s)
      彦坂佳宣
    • Journal Title

      名古屋・方言研究会会報 25

      Pages: 21-40

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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