2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本語形容詞・形容動詞データベース作成とそれに基づく計量分析および語構成史の研究
Project/Area Number |
19520407
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Research Institution | Osaka International College |
Principal Investigator |
村田 菜穂子 Osaka International College, 家政科, 准教授 (60280062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 武 大阪国際大学短期大学部, ライフデザイン総合学科, 准教授 (30238844)
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Keywords | 国語学 / 語彙 / 形容詞 / 形容動詞 / 語構成史 |
Research Abstract |
【研究論文】 鎌倉時代の中世形容詞の体系性を探るべく、まずは平成19年度に公表した「軍記物語の形容詞対照語彙表」に基づき、保元物語・平治物語・平家物語で使用された形容詞について、〔1〕活用形式、〔2〕構成単位数、〔3〕階層構造(副次結合度)〔4〕造語形式という観点から計量的分析を行ってその体系的特徴を考察し、この分析結果とこれまでに公表した上代形容詞および中古形容詞の分析結果から予測される変化の方向性との間にずれがあることを確認し、各作品で使用される形容詞およびその量的性格には作品の内容が大きく関わっている結論を導き出した(「軍記物語の形容詞についての一考察」)。 【語彙表作成】 「今昔物語集の形容詞対照語彙表」を完成させるべく、これまでに蓄積していた馬淵和夫監修『今昔物語集文節索引』全28巻(笠間書院)から抽出した形容詞のデータについての検討を再開し、漢字の読みのばらつきや単語認定の不統一などの問題点を解決すべく、全巻を通して、問題点の洗い出しを行った。計量的分析を行うに際して最も慎重であるべき単語認定は、これまでに公表しているいくつかの語彙表(「中古散文作品の形容詞対照語彙表」「八代集の形容詞対照語彙表」「訓点資料の形容詞の語構成」「軍記物語の形容詞対照語彙表」)との統一を図るという方針のもとに再度認定をし直し、一定の基準によって見出し語の語形を決定した。そして、第一弾として「今昔物語集の形容詞対照語彙表-天竺・震旦部-」に発表した。
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