2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520409
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅川 照夫 Tohoku University, 高等教育開発推進センター, 教授 (50101522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福地 肇 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90015884)
山田 誠 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (90200740)
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Keywords | 拡張 / 構文論 / 語彙意味 |
Research Abstract |
語彙意味論、談話文法、認知文法、生成文法研究の中で、構文拡張にかかわる成果を動的文法理論の枠組みで再考し、新たな視点で総合した。これまで議論されてきた動詞交替構文が構文発生期から構文拡張期、構文再拡張期の三段階を経て発生・拡張したものであり、結果的に、基本形から特殊形へと階層的に配列されている下位構文の複合体であること、そして、動詞の意味と構文の意味の関係はこの三段階を明確に区別して論じる必要があることを明らかにした。具体例として、二重目的語構文および奪取構文、spray/load構文を取り上げ、拡張の三段階説に基づく新しい構文ネットワークを提唱した。奪取構文とspray/load構文は、構文発生期に留まる構文であり、構文形成の柱となる基本動詞から、意味的類似性に基づいて他の動詞群へと拡大はするが、それ以上の拡張へと進むことはない。その原因は、構文の中に含まれる動詞以外の要素が構文全体の意味に積極的に関与しているという事実による。構文発生期では動詞と構文の意味が一体化しており、したがって、これらの構文は、動詞の意味を厳密に定義していけば自動的に構文全体の意味が得られるのである。
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