2008 Fiscal Year Annual Research Report
形容詞語彙意味論の試み-Mental Property形容詞のゼロ形態素分析
Project/Area Number |
19520410
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
丸田 忠雄 Tokyo University of Science, 理学部, 教授 (10115074)
|
Keywords | MP形容詞 / 語彙意味論 / ゼロ形態素 / Multiple Tier Analysis |
Research Abstract |
本年度は、不定詞句をとるMP形容詞に、Agentive-TierとEvaluative-Tierの複層の語彙意味を仮定した。Sentientな項を主語としてとるMP-B構文では、主語はAgentであると同時に評価の対象でもある。また、不定詞句はEvaluative-TierのGround項により認可された。 さらに本年度は、MP-A形容詞のゼロ形態素分析を提案した。この分析でMP-A形容詞は、MP形容詞に受動的なゼロ形態素が付加した複合形容詞と分析され、基底で外項を欠く非対格述語となる。MP-B構文とMP-A構文のヴォイスの違いは、こうして受動のゼロ形態素によって説明された。 MP-A構文のof-NPは評価の対象に加えて、動作主役を担っている。MP-A構文に、しばしば、ofの代わりに動作主を表すbyが現れるゆえんである。二層の意味成分がもたらすMP形容詞のトータルな意味は、sentient項について、不定詞句を根拠として、その行為の様態的評価を述べることである。この意味から、不定詞句の行為を表す意味と、of-NPによるコントロールが帰結した。
|
Research Products
(2 results)