2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520412
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡崎 正男 Ibaraki University, 人文学部, 准教授 (30233315)
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Keywords | 英詩 / 韻律 / 最適性理論 / Emily Dickinson / 韻律的倒置 |
Research Abstract |
平成19年度は、分析対象の中心にあるEmily Dickinsonの詩の韻律に関する基礎研究を行った。その結果、以下の4点が明らかになった。 ・Dickinsonの韻律は、それ以前の英詩の韻律とは全く違った特徴をもっていること ・ただし、Dickinsonの使っている詩の技法のひとつひとつは、伝統的なものであり、新しいものはなく、個々の技法の組合せ方にDickinsonの詩の最大の特徴があること ・Dickinsonの韻律の特徴を捉えるためには、今までの接近法では不可能であること ・そのため、Dickinsonの韻律を的確に捉えるためには、新しい理論的視点が必要であること それらに加え具体的は成果として、次の4点を明らかにした。 ・いわゆる韻律的倒置の分布が極めて特異であり、行中行末で頻繁に生じること ・詩の行ごとにちがった原理原則に従っていると考えざるをえないこと ・ただし、行ごとのヴァリエーションは4-5種類に限定できる可能性が高いこと ・そのため、韻律決定のための原理原則を、独立の動機づけにもとづき複数設定し、それらの間の優先順位を4-5種類設定する必要があること 平成19年度の研究成果は、雑誌に投稿する準備が整った段階にあると言える。具体的には、日本英語学会、日本英文学会、日本言語学会などの学会誌に投稿する準備が整ったことになる。基礎研究において発見された事実を整理し直し、それにもとづき事実に見合った理論化を入念にした上で、平成20年度には、上記学会のいずれかの学会誌に論文として投稿する予定である。
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