2009 Fiscal Year Annual Research Report
初期近代英語期における歴史語用論的観点からの文法化・主観化研究
Project/Area Number |
19520425
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福元 広二 Tottori University, 地域学部, 准教授 (60273877)
|
Keywords | 文法化 / 主観化 / 歴史語用輪 / 初期近代英語 / 英語史 |
Research Abstract |
本年度においては、初期近代英語期における語用論的観点からの文法化・語用論化研究に関して学会発表を2件行った。1件目は2009年5月29日に日本大学において開催された第26回近代英語協会のシンポジウムにおいて『初期近代英語における Comment Clause』というタイトルで思考動詞と認識動詞の文法化について分析した。2件目は2009年7月14日にオーストラリアのメルボルン大学で開催された第11回 International Pragmatic Conferenceで『Grammaticalization of Imperatives with a Pronoun in Early Modern English』というタイトルで、研究発表を行った。 また、本年度においては、初期近代英語期における1人称代名詞と挿入動詞、特に思考動詞と認識動詞とのコロケーションを取り上げ、それらの頻度と統語的環境について考察した。 まず、初期近代英語期の16世紀と17世紀においては、Comment Clauseの頻度はまだかなり少ないことがわかった。特にI suppose, I believe, I guessは、16世紀では用例が少なく、17世紀後半になって、ようやく増加してくることがわかった。ただ、I thinkだけは、16世紀と17世紀を通して頻度が高いという結果が得られた。 次に、初期近代英語期における主節からComment Clauseへの発達という観点から見ると、I ThinkやI trowにおいて、母型文としての用法から、Comment Clauseとしての用法、さらに間投詞のような談話標識へと発達していく様子が見られた。
|