2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520432
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
高見 健一 Gakushuin University, 文学部, 教授 (70154903)
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Keywords | 英語学 / 機能的構文論 / 形式と意味 / 場所句倒置 / 使役構文 / 否定 / 動詞句削除 / 疑似分裂文 |
Research Abstract |
研究課題の形式と意味のミスマッチを示す構文として、平成19年度は英語の場所句倒置構文や動詞句削除、使役文、疑似分裂構文を昨年度からの継続で考察し、それぞれの構文の形式と意味のズレの説明や適格性条件を明らかにした。そしてそれを久野〓氏と共著で『英語の構文とその意味-生成文法と機能的構文論-』(開拓社)として出版した。この研究により、英語毋語話者から重要な例を多く収集し、これまでに提出された仮説の不備を示すとともに、より包括的な機能的制約を提出することができた。 さらに、形式と意味のミスマッチを示す構文として英語の否定現象を考察し、部分否定と全体否定、二重否定、否定倒置、文否定と構成素否定、否定対極表現、肯定表現と否定的意味などを取り上げ、久野〓氏と共著で『謎解きの英文法-否定-』(くろしお出版)を出版した。この研究に関しても、英語毋語話者からこれまでに指摘されていない興味深い例を多く收集し、否定を表わす文の構造とその意味のズレを明確に示し、それを説明することができた。 さらに次年度に向けて、日本語の動詞句前置構文、日英語の数量詞遊離構文、日英語の存在文・所有文についても考察を深め、従来の様々な分析を検討して、それらの分析にどのような問題があるかを考えた。そして、これらの構文が示す形式と意味のズレがどのようなメカニズムに依存しているか、これらの構文の適格性がどのような条件に左右されているかを考察した。今後、これらの考察をもとにさらに研究を深め、発表する方向に進めたいと考えている。
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